【業務用仕入れ】北海道じゃがいもの規格・サイズ・等級を徹底解説
2025年09月18日
はじめに:じゃがいも規格を理解して仕入れコストを最適化
じゃがいも規格は、業務用仕入れにおいて最も重要な基礎知識のひとつです。北海道産じゃがいもの規格を正しく理解することで、仕入れコストの大幅削減が可能になります。「3LとLサイズの違いは?」「A品とB品はどう使い分ける?」といった疑問を持つバイヤーの方も多いでしょう。
じゃがいもは日本の野菜市場において欠かせない存在であり、その生産量の約80%を北海道が占めています。しかしながら、仕入れ現場で使われる規格表示や等級区分については、意外と詳しく理解されていないのが現状です。
本記事では、北海道で業務用野菜卸を手がける株式会社マカリイが、じゃがいもの規格・サイズ・等級について実務に直結する形で徹底的に解説いたします。コスト削減や品質管理の観点から、これらの知識は外食産業、福祉給食、仲卸業者にとって必須といえるでしょう。
じゃがいも規格の基本:サイズ区分を理解する
重量による6段階のサイズ分類
じゃがいも規格において、サイズは主に重量によって以下の6段階に分類されています。これは北海道の野菜標準全道統一規格として定められており、全国的な取引の基準となっています。詳しい規格基準については、農林水産省の農産物規格規程でも確認できます。
3L(スリーエル):260g以上
圧倒的な存在感を持つ特大サイズ。業務用のフライドポテトや、インパクトのある料理演出に最適です。1個で2~3人前の付け合わせになるため、大量調理の現場では作業効率の向上につながります。
LL(ダブルエル):190g~260g
飲食店での主菜レベルの料理に適したサイズ。ハッセルバックポテトやベイクドポテトなど、じゃがいも自体を主役にした料理に向いています。
L(エル):120g~190g
最も汎用性が高く、流通量も多いサイズです。カレーやシチュー、肉じゃがなど、一般的な煮込み料理に最適。皮むき後の重量は約100~160g程度になり、1個で1人前の適量となります。
M(エム):70g~120g
小ぶりながら使い勝手の良いサイズ。皮つきのまま素揚げにしたり、まるごと煮物にしたりと、形を活かした調理に向いています。学校給食や福祉施設では、1人前として計算しやすいサイズです。
S(エス):30g~70g
小粒サイズで、皮つきローストや付け合わせに最適。調理時間が短く、味の浸透も早いため、時短調理にも貢献します。
2S(ツーエス):30g未満
極小サイズながら、素材の味を活かした料理に重宝されます。
実際の仕入れ現場での活用法
サイズ選定は、料理の種類だけでなく、調理オペレーションの効率化にも大きく影響します。例えば、大量調理を行う給食センターでは、均一なMサイズを選ぶことで調理時間のバラつきを防げます。一方、レストランではメニューに応じて複数のサイズを使い分けることで、原価率の最適化と料理の見栄えの両立が可能になります。
実際に、北のやさい便をご利用いただいている札幌市内の某ホテル様では、朝食バイキング用にはSサイズ、ディナーのメイン料理にはLLサイズと使い分けることで、フードロスを約20%削減されました。このように、規格を理解した戦略的な仕入れは、経営面でも大きなメリットをもたらします。
じゃがいもの等級(A品・B品・C品)の違いとは
等級区分の実態と活用方法
じゃがいもの等級は、主に外観や品質によってA品(秀品)、B品(優品)、C品(規格外品)に分類されます。この区分は単なる見た目の問題ではなく、用途に応じた使い分けによって仕入れコストの最適化が図れる重要な要素です。
A品(秀品)の特徴
形状が整い、病虫害や傷がほとんどない最上級品です。皮の色つやが良く、芽の部分も浅いため、歩留まりが高いのが特徴です。市場や高級レストラン、百貨店向けに出荷されることが多く、価格は最も高くなりますが、調理の手間が少なく、仕上がりの美しさが求められる料理に最適です。
B品(優品)の活用メリット
わずかな傷や変形はあるものの、味や栄養価はA品と変わりません。実は、多くの農産物直売所や道の駅で販売されているのはこのB品です。飲食店の仕入れにおいては、皮をむいて使用する料理であれば、B品を選ぶことで仕入れコストを15~30%程度削減できます。
C品(規格外品)の賢い使い方
大きな傷や変形があるものの、可食部分は問題なく使用できます。加工用途や、ペースト、マッシュポテトなどに最適です。ただし、傷みやすい部分があるため、仕入れ後は早めの使用が必要です。福祉施設や社員食堂など、コストを重視する現場では、メニューを工夫することでC品も有効活用できます。
等級選びの実践的アドバイス
等級選びは、単純に「安いから」という理由だけで決めるべきではありません。例えば、じゃがいもの皮つき料理を提供する場合はA品を選ぶべきですが、コロッケやポテトサラダのように形が残らない料理であれば、B品やC品でも十分です。
北のやさい便では、お客様の用途をヒアリングした上で、最適な等級の商品をご提案しています。実際、ある食品加工メーカー様では、コロッケ用にC品を定期仕入れすることで、年間の原材料費を約200万円削減されました。
北海道産じゃがいも仕入れの実務ポイント
品種による規格の違いを理解する
北海道では男爵、メークイン、キタアカリ、インカのめざめなど、多様な品種が栽培されています。実は、品種によってサイズ分布や等級の出方が異なるため、この特性を理解することが重要です。
例えば、男爵いもは比較的大玉になりやすく、L~LLサイズの割合が高くなります。一方、インカのめざめは小粒傾向があり、S~Mサイズが中心となります。この特性を理解していれば、「インカのめざめのLサイズ」を探すよりも、「男爵のMサイズ」を選ぶ方が、安定供給と価格面で有利になることがわかります。
→参考記事:【甘み際立つ特別なじゃがいも】北海道・真狩村産『インカのめざめ』を北のや
季節による規格の変動への対応
じゃがいもの規格は、収穫時期によっても変動します。秋の収穫直後(9~11月)は大玉傾向で、A品率も高くなります。一方、越冬じゃがいも(1~3月)は、貯蔵により若干の水分が抜けるため、糖度が上がって美味しくなりますが、サイズは若干小さくなる傾向があります。
この季節変動を理解して仕入れ計画を立てることで、年間を通じて安定した品質と価格での調達が可能になります。北のやさい便では、契約農家との連携により、季節ごとの最適な規格商品をご提供しています。
仕入れロットと規格の関係
業務用仕入れにおいて見落とされがちなのが、ロットサイズと規格の関係です。一般的に、規格を細かく指定するほど単価は上がります。例えば、「L~LLサイズ混合」で注文するよりも、「Lサイズのみ」と指定すると、選別の手間がかかるため価格が上昇します。
大量仕入れが可能な場合は、複数サイズの混合での仕入れを検討することで、コスト削減が図れます。ただし、その場合は社内での二次選別体制を整える必要があります。JA全農の出荷規格表も参考にしながら、最適な仕入れ方法を検討しましょう。
コスト削減と品質管理を両立させる仕入れ戦略
メニュー開発と規格選定の連動
成功している飲食店の多くは、仕入れ可能な規格に合わせてメニュー開発を行っています。例えば、B品のじゃがいもが安定供給される時期に「農家直送!ゴロゴロじゃがいものカレー」といった限定メニューを展開するなど、規格の特性を活かした商品開発が重要です。
また、サイズ規格を活かした差別化も有効です。「まるごと小じゃがのバター焼き(Sサイズ使用)」や「迫力満点!特大じゃがいもステーキ(3Lサイズ使用)」など、規格を前面に出すことで、他店との差別化と原価管理の両立が可能になります。
保管・在庫管理における規格別の注意点
規格や等級によって、保管方法や在庫回転率も変わってきます。A品は比較的日持ちが良いため、ある程度の在庫を持つことができます。一方、C品は傷んだ部分から劣化が進みやすいため、仕入れ後3日以内の使用が理想的です。
温度管理も重要で、じゃがいもは2~4℃での保管が理想的ですが、サイズによって最適な保管密度が異なります。小粒のS~Mサイズは通気性を確保しながら密に保管できますが、大粒の3L~LLサイズは圧迫を避けるため余裕を持った配置が必要です。
仕入れ先選定のチェックポイント
信頼できる仕入れ先を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
まず、規格基準の明確さです。「だいたいLサイズ」ではなく、「120g~190g」と明確な基準を示せる業者を選びます。次に、等級判定の一貫性です。A品とB品の境界線が曖昧な業者は避けるべきです。
さらに、規格外品への対応力も重要です。注文した規格から外れた商品が混入した場合の対応や、逆に規格外品を有効活用したい場合の提案力なども評価ポイントとなります。
北のやさい便が選ばれる理由

規格・等級の徹底管理
私たち北のやさい便では、北海道内の契約農家と連携し、収穫から出荷まで一貫した規格管理を行っています。独自の選別基準を設け、お客様のニーズに合わせた最適な商品をご提供しています。
特に強みとしているのが、規格の柔軟性です。「コロッケ用にB品を週3回、各100kg」といった定期仕入れから、「イベント用に3Lサイズを50個」といったスポット注文まで、幅広く対応しています。
産地直送による鮮度と価格のメリット
札幌中央卸売市場での仕入れルートに加え、産地直送ルートも確保しているため、中間マージンを削減した competitive な価格設定が可能です。また、収穫から最短翌日配送も可能なため、鮮度の面でも大きなアドバンテージがあります。
実際に、道内の学校給食センター様からは「規格が明確で、品質が安定している」「B品の活用提案により、給食費の値上げを回避できた」といった評価をいただいています。
小ロットから大ロットまで対応可能
「ミニトマト7粒」といった極小ロットから、「じゃがいも10トン」といった大口注文まで、幅広く対応しています。この柔軟性により、個人経営の飲食店から大手外食チェーンまで、多様なお客様にご利用いただいています。
また、12時までのご注文で翌々日配送という迅速な対応も特徴です。急な需要変動にも柔軟に対応できる体制を整えています。
まとめ:規格を理解して賢い仕入れを実現
じゃがいもの規格・サイズ・等級を正しく理解することは、単なる知識ではなく、実際の仕入れコスト削減と品質向上に直結する実務スキルです。
サイズ規格では、3LからS2まで6段階の区分を理解し、用途に応じた選定を行うこと。等級では、A品・B品・C品それぞれの特性を活かした使い分けを行うこと。そして、季節変動や品種特性も考慮した総合的な仕入れ戦略を立てることが重要です。
北海道産じゃがいもは、その品質の高さから全国的に評価されていますが、規格を理解することで、さらに効率的で経済的な仕入れが可能になります。
私たち北のやさい便は、お客様の仕入れの課題を解決するパートナーとして、最適な規格・等級の商品をご提案いたします。規格に関する疑問や、具体的な仕入れのご相談など、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。
【資料請求・お問い合わせ】
北海道産じゃがいもの規格別価格表や、季節ごとの供給可能リストなど、詳細な資料をご用意しています。貴社の仕入れ最適化のお手伝いをさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、貴社のニーズに合わせた最適なご提案をいたします。