もやしの品薄・値上がりはなぜ?業務用仕入れで今できる備え
2026年10月28日
2026年10月12日のテレ朝NEWSの報道によれば、もやしの取り合いが起き、生産者の廃業や倒産が相次いでいると伝えられています。背景として挙げられているのは、薄利多売の商売と燃料費高騰です。
もやしの品薄と値上がりは、毎日のように使う厨房や給食の現場にとって他人事ではありません。報道で動いている部分と、半年後も変わらない構造とを分けて、仕入れ担当者が何を確かめるべきかを整理します。
この記事では、もやしの値上げ理由、店頭価格の見方、仕入れ先の判断軸、代替食材の考え方までを順に扱います。ここで述べる状況は、2026年10月時点のものです。
目次
もやしの品薄と値上がり、2026年10月時点で何が起きているのか?
報道で伝えられている取り合いと廃業
2026年10月12日のテレ朝NEWSでは、モヤシ争奪戦、野菜山盛りラーメンの店の悲鳴、生産者の廃業・倒産が相次いでいることが伝えられました。背景として触れられていたのは、薄利多売と燃料費高騰です。
この記事が事実として扱うのは、この報道で示された点だけです。取り合いの規模や、いつから始まったのか、どの地域で強いのかといった細部は、ここでは断定しません。
状況は日々変わります。数量や価格の最新の動きは、取引先からの案内や公的な統計で、その都度確かめてください。
ボリューム系メニューの店が受けている影響
たとえば、朝の発注でいつもの数量を伝えたところ、今週は数を絞らせてほしいと返されたとします。もやしは一品抜けるだけで、丼の高さも、盛り付けの見た目も変わってしまう野菜です。
野菜山盛りのラーメンのように、もやしがメニューの顔になっている店ほど、手当てがつかないときの打撃は大きくなります。報道で悲鳴が伝えられたのも、そうした店でした。
給食やホテルの朝食、加工用途でも、毎日一定量を使う点は同じです。足りないと分かってから動くのでは遅く、先に状況を整理しておくほうが焦りは小さくなります。

天候に左右されないもやしが、なぜ足りなくなるのか?
もやしは工場生産の野菜で、畑の野菜のように大雨や猛暑の影響を直接は受けません。大根やキャベツが天候で上下するのとは、品薄の理由が違います。
では何が供給を細らせるのか。野菜全般が値上がりする背景は野菜が高くなる理由と価格の見通しの記事で扱っているので、ここではもやしに特有の事情を、作り手の側にあるコストと取引の構造に分けて見ていきます。
室内で短期間に育つ野菜という特徴
もやしは、緑豆や大豆などの種子を、室内で水と温度を管理しながら発芽させて育てます。育つまでの期間が短く、季節を問わず作れるため、いつでも同じ量が出回ることが前提の野菜として扱われてきました。
この前提があるので、供給が細るときの原因は、天候よりも作り手の事情に偏ります。もやしの値上げ理由を考えるときは、畑ではなく工場の事情を見る必要があります。

原料の豆と燃料・電気・包装資材のコスト
原料の緑豆は、多くを輸入に頼っているとされ、中国などの産地の状況や為替、輸送の事情が仕入れ値に響きます。
育てる工程では、温度を保ち、水を撒き続けなければなりません。そこには重油などの燃料や電気が使われるため、燃料費高騰は工程に直接のしかかります。
さらに、OPP袋のような包装資材や、出荷先までの配送費も積み上がります。ただし、電気代や包装資材、配送費は一般的なコスト項目の話で、今回の報道が個別に挙げた原因ではありません。
安売りの目玉にされ値上げしにくい取引構造
もやしは、スーパーの特売で目玉にされやすい野菜です。1袋の価格が低く保たれてきたため、コストが上がっても価格転嫁を申し入れにくい取引関係があります。
値上げ交渉を切り出すこと自体が、ハードルになる場合もあります。薄利多売で利幅が小さいまま燃料費などが上がれば、体力のない作り手から続けられなくなります。
作り手が減れば供給が細り、需要に追いつかなくなります。これが、もやし生産者の廃業と品薄をつなぐ流れです。
店頭価格はこれまでどう動いてきたのか?
長く据え置かれてきた理由
もやしは、長いあいだ価格がほとんど動かない野菜として知られてきました。店頭では200グラム前後の1袋で売られることが多く、特売の目玉でもあったため、低い価格が当たり前の水準になっていました。
数円の値上げでも話題になるのは、このためです。上がった額の大きさより、長く止まっていた時計の針が動き出したことのほうが目立つのです。
近年の上がり方と地域による差
店頭価格の推移は、総務省の小売物価統計調査で確認できます。全国の小売店で実際に売られている価格を調べる公的統計で、野菜は品目ごとに価格が公表されています。
ここに具体的な数字を載せないのは、時点によって値が変わるからです。見るときは、調べた年月と、全国か都市別かの区分をそろえて比べてください。地域や店の種類によっても差があります。
なお、店頭価格は業務用の仕入れ価格そのものではありません。店頭の動きは、仕入れ価格の見直しが始まる合図として読むのが現実的です。
一時的な品薄と長く続く値上がりをどう見分けるか?
報道が増えると、すべてが急に起きた出来事のように見えます。けれども、動きやすい部分と変わりにくい部分は分けて考えられます。
| 区分 | 主な中身 | 変わりやすさ | 仕入れでの見方 |
|---|---|---|---|
| 足元で動きやすい部分 | 取り合いの度合い、納品数量の調整、値上げの案内が出る時期 | 週や月の単位で変わりうる | 取引先の案内や報道で随時確認する |
| 長く続きやすい部分 | 燃料・電気・原料・包装資材のコスト、生産者の減少、特売を前提にした取引構造 | 短期では変わりにくい | 仕入れの前提そのものを見直す |
足元の報道で動きやすい部分
取り合いの激しさや、納品が絞られるかどうかは、状況次第で変わります。ニュースの見出しに合わせて仕入れ方針を毎回変えると、現場が振り回されます。
足元の動きは、取引先との会話で確かめるのが基本です。今後の価格や品薄の時期は、この記事では断定しません。
コストと担い手の減少という変わりにくい部分
燃料や原料のコストは、一度上がると、すぐに元へ戻るとは限りません。廃業した生産者の設備と人手も、数か月で取り戻せるものではないでしょう。
市場動向の視点で言えば、これまで低い価格に支えられてきた取引が、コスト上昇分を価格に反映する方向へ動いているのが現状です。この流れは、足元の品薄が落ち着いた後も、見直しの前提として残ります。
業務用の仕入れ担当者はいま何を見直すべきか?

値上げを受け入れて今の取引先を続けるか、安い仕入れ先に乗り換えるか。迷うのは自然なことで、業務用のもやしの仕入れでは、この判断が利益にも日々の運営にも響きます。
単価だけで仕入れ先を選ぶリスク
判断の分かれ目は、品薄のときに自店の分が確保されるかどうかです。単価の低い先は魅力的ですが、手当てが厳しいときには長く付き合いのある取引先が優先されやすく、新規は後回しになるおそれがあります。
乗り換えた直後に欠品が出ると、元の取引先にも戻りづらくなります。比べるのは次の3点です。
- 単価はいくらか
- 品薄のときも供給が続く見込みがあるか
- 必要な数量を確約してもらえるか
安さと供給の安定は別の物差しです。どちらを重く見るかは、メニューの中でもやしが占める位置で変わります。
必要な数量と規格を早めに伝えておく
週ごとの使用量、袋の規格、納品の曜日と時間、忙しい時期の増減幅。これらを先に伝えておくと、仕入れ先も手当てを組みやすくなります。
価格やロットは、商品・時期・数量によって異なります。希望条件を先に示して相談するほうが、値上げ交渉も具体的になり、話が進みやすくなります。
仕入れ先を1つに頼りすぎない
主力の仕入れ先に加えて、補助の仕入れ先を1つ持っておくと、欠品の連絡を受けたときの動きが違います。道が一本しかなければ、通行止めのたびに立ち往生するのと同じです。
担当者にとって、欠品のたびに代わりを探す作業は、心理的な負担が大きいものです。連絡の順番や、代替品に切り替える基準をあらかじめ決めておくだけでも、負担は軽くなります。
あわせて、原価が上がった分を、盛り付け量の調整やメニュー価格に反映する価格転嫁も検討の材料になります。
もやしが手に入りにくいとき、メニューはどう組み替えるか?
種類の違うもやしで補う
一般に、緑豆もやしは細く、シャキッと軽い食感で、火の通りも早いのが特徴です。大豆もやしは太く、豆の風味と歯ごたえがあり、加熱しても形が残りやすいとされています。
緑豆もやしが手に入りにくいときは、大豆もやしで補う方法があります。ただし火入れの時間や食感が変わるため、炒め物とスープでは向き不向きが出ます。切り替える前に、少量で試作しておくと安心です。
他の野菜でボリュームを出す
かさを保つ代替食材には、キャベツや白菜、ニラのように、量を出しやすい野菜が考えられます。もやしと同じ食感にはならないので、メニュー側の見せ方も合わせて見直します。
選ぶ基準は、次の3つです。
- 食感:もやしの軽いシャキシャキ感を残したいか、別の歯ごたえでよいか
- 原価:同じ量を使ったときの原価が、メニュー価格に収まるか
- 調理工程:下ごしらえや火入れの手間が、厨房の人員で回るか
具体的な価格は時期や産地で変わるため、見積もりを取って比べてください。もやし以外の品目も含めて置き換えを考えるなら、用途別の代替食材の選び方もあわせて読むと判断しやすくなります。

よくある質問
もやしの品薄はいつまで続くのか?
時期は断定できません。燃料費や原料のコスト、生産者の減少は、短期では解消しにくい構造的な要因です。足元の状況は、報道や公的統計、取引先の案内で随時確認してください。
もやしは工場で作るのに、なぜ品薄になるのか?
天候の影響は受けにくい一方、作り手の減少やコスト増で供給そのものが細ると、需要に追いつかなくなります。天候型の高騰とは原因が違います。
安い仕入れ先に切り替えるべきか?
単価だけで決めると、品薄のときに優先されず、欠品するおそれがあります。価格、供給の安定、数量の確約を並べて判断してください。
もやしの代わりに使える食材はあるか?
大豆もやしなど種類の違うもやしや、キャベツ、白菜のようにかさを出せる野菜が一般的な選択肢です。食感、原価、調理工程に合わせて選びます。
今後もやしの値段は下がるのか?
予測は断定できません。長く安値が続いてきた背景があり、2026年10月時点では、コスト上昇分を価格に反映する動きが報じられています。最新の数値は、小売物価統計調査などで時点を確認してください。
北のやさい便が選ばれる理由

もやしの品薄をきっかけに、仕入れ先との付き合い方そのものを考え直す担当者は少なくありません。値段の比較だけでは、欠品したときの不安は消えないからです。
北のやさい便は、北海道産野菜の業務用仕入れについて、用途や数量に応じた相談を受け付けています。必要な規格や使用量、納品のタイミングを先に聞いたうえで、どのように手当てできるかを一緒に考える進め方です。
価格やロットは、商品・時期・数量などによって異なります。そのため、まずは希望する条件を教えていただくところから始まります。取り扱い品目や時期については、個別にご確認ください。
一つの品目が揺らぐと、穴を埋める野菜の手配から、メニュー全体の原価の組み直しまで、担当者の仕事は一気に増えます。使い方や量の目安を相談しながら野菜を選べる相手がいれば、その判断を一人で抱え込まずに済みます。
北海道の野菜は、産地や時期によって出回る品目が変わります。仕入れの進め方は業務用野菜の卸売・産地直送の案内で紹介していますので、取引先を見直す際の材料にしてください。
安定供給を重視する仕入れを考えるなら、数量や規格の見通しを共有できる相手が一つあるだけでも心強いはずです。今回の品薄を、仕入れのリスクを分散させる機会として捉えてみてはいかがでしょうか。
業務用仕入れについて相談したい方、必要な規格や数量について問い合わせたい方は、お気軽にご連絡ください。
「北のやさい便」は、北海道産野菜の卸売・仕入れのスペシャリスト集団です。
札幌中央卸売市場をはじめ、北海道の真狩村をはじめ、全国の農家さんとの独自のネットワークを活かし、鮮度と品質にこだわった旬の野菜情報を発信しています。
飲食店や食品加工メーカー様の「美味しい野菜を安定して届けたい」という想いに応えるため、市場の相場情報や野菜の豆知識を、現場の視点からお届けします。




