白菜・レタスの価格見通し|長雨による高値はいつまで続くか
2026年10月03日
白菜とレタスの価格見通しを調べている方の多くは、来月以降の原価がどこまで上がるのか、そしていつ落ち着くのかを知りたいのではないでしょうか。
2026年9月末時点で農林水産省が公表した見通しでは、長雨の影響により白菜やレタスなどの葉物野菜が平年を上回る水準になるとされました。発注量をどう決めるか、献立をどこまで動かすか、判断を迫られている担当者もいるはずです。
本記事では、価格見通しの読み方と、業務用の仕入れ担当者が今とれる対策を順に整理します。一般論としての仕組みと、今回特有の状況を分けて書いていますので、半年後に読み返してもどこが今だけの話か分かるようにしています。
目次
白菜とレタスの価格見通しは今どうなっているか
2026年9月末時点の公表・報道によれば、10月の野菜価格は平年より高めに推移する見通しとされました。特に白菜とレタスについては、長雨によって生育が遅れたことが理由として挙げられています。
この見通しは農林水産省が毎月公表している野菜の生育状況及び価格見通しにもとづくものです。主要産地への聞き取り調査を踏まえて、翌月分の方向性を示す内容になっています。
公表・報道で示された葉物の高値見通し
長雨による日照不足と生育の遅れが重なり、白菜・レタスといった葉物野菜は出荷数量が平年より少なくなる見通しとされました。出荷が減れば、卸売価格は上がりやすくなります。
ここで押さえておきたいのは、これが10月時点の見通しであることです。天候の回復状況によって、この先の公表内容は変わる可能性があります。
値動きの方向が分かれている品目
同じ時期の見通しの中でも、品目によって方向は異なります。葉物野菜が高値方向であるのに対し、いも類など一部の品目は逆の方向に動く見込みが示されています。
| 品目グループ | 10月時点の見通しの方向 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 白菜・レタスなど葉物野菜 | 平年より高め | 長雨・日照不足による生育の遅れ |
| いも類・たまねぎなど根菜・球根類 | 高値方向ではない見込み | 葉物とは生育環境の影響度が異なる |
品目ごとに値動きの向きが違うため、葉物が高いからといって、青果全体の原価がまとめて上がるわけではありません。高値の品目と落ち着いている品目を分けて見ておくと、原価の見直し先も絞りやすくなります。
仕入れ担当がまず押さえる3点
見通しを読むときは、次の3点を分けて考えると整理しやすくなります。
- いつの時点の公表・報道なのか
- 平年比が示す基準は卸売価格の見通しであること
- 品目によって方向が分かれていること
この3点を押さえたうえで、次の章からは、なぜ天候でこれだけ動くのかという仕組みの話に入ります。

なぜ白菜とレタスは天候で大きく動くのか
白菜やレタスは露地で栽培される葉物野菜で、天候の影響を直接受けやすい性質があります。これは今回に限った話ではなく、毎年あてはまる仕組みです。
露地の葉物は天候の影響が出やすい
日照不足や長雨が続くと、光合成が十分に進まず生育が遅れます。葉が重なり合う白菜やレタスは、過度な降雨で外葉が傷みやすいという特徴もあります。
台風の通過が重なった場合は、倒伏や葉の損傷がさらに加わることもあります。根菜や球根類に比べて、葉物野菜は地上に出た部分がそのまま商品になるため、天候の影響が収穫物にそのまま表れやすいのです。

生育の遅れが出荷数量に表れるまでの時間差
生育が遅れても、すぐに出荷数量が減るわけではありません。播種から収穫までの期間を考えると、遅れが実際の出荷数量として表れるのは一定の時間差を伴います。
このため、見通しの公表時点と、実際に卸売市場で品薄感が強まる時期にはズレが生じることがあります。卸売価格の推移を合わせて確認すると、公表された見通しと実勢の時間差がつかみやすくなります。
産地リレーと端境期のつまずき
白菜やレタスは、主要産地を季節ごとに切り替えながら一年を通じて出荷される、産地リレーの仕組みで流通しています。前の産地の出荷が終わり、次の産地の出荷が始まるタイミングを端境期と呼びます。
白菜とレタスでは、産地リレーの切り替わり時期がそもそも異なります。そのため、同じ長雨の影響を受けても、高値が続く期間の長さは品目によって違ってくる可能性があります。
端境期に近いタイミングで天候が崩れると、次の産地への切り替えも遅れやすく、価格への影響が長引きやすい点は覚えておきたいところです。
一般的に、白菜は夏場には群馬や長野といった高原の産地から出荷され、秋以降は愛知や茨城といった平地の産地へ切り替わっていく流れがあります。レタスも同様に、夏場は長野など高原の産地が中心となり、冬場に向けては茨城や長崎といった温暖な産地へ移っていきます。
この切り替わりの時期は品目によって異なるため、同じ長雨の影響を受けていても、白菜の高値が落ち着く時期とレタスの高値が落ち着く時期が一致しないことがあります。見通しを確認する際は、品目ごとの産地リレーの進み具合を分けて追いかける姿勢が欠かせません。
レタス単体について、相場が戻る兆しをどこで確かめるかはレタス高騰の原因と相場が戻る時期の見極め方で詳しく整理しています。
価格見通しの数字を正しく読むために
見通しの数字を仕入れ判断に使うときは、何を基準にした数字なのかを確認することが欠かせません。数字の大きさだけが先に目に入ると、必要のない動きまでしてしまうことがあります。
平年比が指しているもの
平年比という言葉は、直近数年の同時期における平均的な価格水準を基準にした比較を指します。今年だけが特別に高いのか、例年並みの範囲なのかを見分けるための目安です。
農林水産省が公表した10月の見通しでは、白菜やレタスなどの葉物が平年のおおむね3割以上高くなるとされました。ここでの平年は、直近数年の同時期の平均的な価格水準を指している点を踏まえておく必要があります。
平年値は、直近の数年間(農林水産省の統計では5年や7年といった期間を用いることが一般的です)の同時期の価格を集計し、その中庸的な水準を基準値とする考え方にもとづいています。そのため、基準となる期間に天候不順の年が多く含まれていた場合、平年値そのものがやや高めに算出されている可能性も考えられます。
平年比という数字を見るときは、何年分のデータを基準にしているかまで確認しておくと、数字の大きさに対する受け止め方が変わってきます。
卸売の見通しと小売の値札は同じではない
平年比の数字は、卸売段階の価格見通しとして示されたものです。小売店の値札がそのまま同じ比率で上がるとは限りません。
業務用の仕入れでは、卸売価格の高値推移がどこまで取引価格に反映されるかは、取引先との条件や時期によって変わります。見通しの数字は方向を知るための目安として受け止め、実際の発注価格は個別に確認する姿勢が実務的です。
また、卸売価格が上昇してから、小売店の値札や業務用の納品価格に反映されるまでには一定の時間差が生じることもあります。公表された直後に仕入れ価格がすぐ変わるとは限らないため、価格交渉のタイミングも含めて確認しておくと、原価の変動を見通しやすくなります。
月の見通しと週ごとの実勢がずれるとき
月次の見通しは、月の前半と後半で実勢とずれることがあります。月初に高く、月末にかけて値下がりする場合もあれば、逆に月初は落ち着いていて月末に向けて高値推移になる場合もあります。
このズレが起きたときに慌てないよう、月初の見通しだけで発注量をすべて固定せず、週単位の実勢も合わせて確認しながら調整する進め方が無理がありません。
対応方法としては、月単位でまとめて発注する契約から、週単位や旬単位で量を調整できる発注方法に切り替えることが考えられます。すべての仕入れを長期契約でまとめてしまうと、月末に向けて相場が変化した場合に対応しづらくなります。
反対に、毎回の相場を見てから発注する方法は手間がかかります。主要な品目だけ短い周期で見直し、それ以外は通常の発注サイクルを維持するといった使い分けが現実的です。
単価より先に歩留まりを見る
価格見通しの数字だけを見ていると、実際の原価負担を見誤ることがあります。長雨の影響は、単価以外の部分にも表れるためです。
特に、見積もり時点の数量や原価を前提に献立や販売価格を決めている場合、歩留まりの変化に気づかないまま進めてしまうと、後から原価がずれ込むリスクが高まります。
葉の傷みと外葉除去の増加
長雨で葉が傷んだ白菜やレタスは、外葉を多く取り除いてから使うことになりがちです。見た目は同じ1個でも、実際に使える重量が少なくなる場合があります。
この傾向は、仕入れ単価が平年と同じでも、使用量ベースの原価を押し上げる要因になります。
小玉化で変わる使用個数
生育の遅れは、玉が十分に大きくならない小玉化としても表れることがあります。小玉が増えると、同じ使用量を確保するために必要な個数が増えます。
規格構成が崩れると、見積もりの前提にしていた1個あたりの使用量と実際の使用量がずれてくるため、注意が必要です。
使用量ベースで原価を置き直す
単価の上昇率ではなく、使える重量に対する原価で置き直すと、実際の負担が見えてきます。歩留まりの低下分を含めずに比較すると、値上がりの影響を小さく見積もってしまいます。
なお、必要な規格や数量は商品・時期によって条件が変わるため、調達先と相談しながら決めていく進め方が現実的です。
カット野菜や加工用途での歩留まり影響
カット野菜や加工用に葉物野菜を使用している場合は、歩留まりの低下がより直接的に原価へ響きます。外葉の除去や傷んだ部分のトリミングが増えると、仕込みに必要な原材料の投入量が増え、同じ完成量を確保するための使用個数が普段より多くなることがあります。
加工工程を持つ事業者は、単価の変動だけでなく、仕込み段階での歩留まり率を定期的に確認し、原価計算に反映させておくことが実務的です。使い切れずに残った分の扱いが課題になっている場合は、白菜のかさ減らしと大量消費のコツも参考になります。
高値が長引く場合と早く戻る場合で打ち手を分ける
見通しはあくまで見通しであり、実際にはその通りに進まないこともあります。回復が早まる方向と、長引く方向、両方を想定して準備しておくと、どちらに動いても対応しやすくなります。
回復が早まったときに困らない発注
高値を見込んで一度にまとめ買いをすると、実際には早く値下がりした場合に在庫が過剰になるリスクがあります。発注を分割し、短い周期で見通しを更新しながら量を決める方法は、どちらの方向に動いても調整しやすい進め方です。
発注サイクルを短くするほど、相場の変化に合わせて量を調整しやすくなりますが、その分、価格交渉や確認作業の手間は増えます。品目の重要度に応じて、発注サイクルを短くする品目と、通常のサイクルのままにする品目を分けておくと、作業負担を抑えながら対応できます。
高値が続いたときの品目の入れ替え
高値が長引くと分かった場合は、代替品目への切り替えを早めに検討したほうが、献立や原価の見直しに余裕が持てます。切り替えの判断を遅らせるほど、原価への影響が積み重なります。
仕入れ先そのものの見直しまで踏み込むかどうかは別の判断になります。供給元の選び方の考え方は白菜の価格高騰時に備える卸業者の選び方で扱っています。
見通しが変わる方向を見極める材料
見通しが上方修正されるか下方修正されるかを判断する材料としては、産地での降雨量や日照時間の回復状況、次の産地での定植や生育の進み具合などが挙げられます。これらは公表される統計だけでは把握しにくいため、取引先や産地担当者からの情報を定期的に確認することが欠かせません。
回復が早まる兆しがあれば、まとめ買いを控えて発注を細かく刻む判断がしやすくなります。長引く兆しが強まれば、早めに代替品目への切り替えを進めたほうが原価への影響を抑えやすくなります。
献立や商品仕様を動かせない業態の対応
外食店やホテルのように献立を柔軟に変更できる業態では、仕入れ状況に応じてメニューの品目や使用量を調整する余地があります。一方、給食や介護施設向けの食事提供のように、栄養基準や献立の事前承認が必要な業態では、品目そのものを急に変更することが難しい場合があります。
このような業態では、使用量の見直しや、同じ品目の中での規格変更(玉の大きさやカット形態の調整)など、献立の枠組みを保ったまま対応できる範囲から検討していくことになります。納品ロットの見直しも選択肢の一つです。
代替を検討する際は、加熱用途か生食用途か、刻んで使うか葉のまま使うかといった用途から考えると、無理のない選択肢が見つけやすくなります。
白菜とレタスの代わりに何を使うか考えるとき
葉物野菜が高値のときに代替品目を検討するなら、値動きの異なる品目に重心を移す考え方が基本になります。同じ天候の影響を受ける品目ばかりを並べても、分散にはなりません。
加熱用途で置き換えやすい品目
加熱調理で使う場合は、火を通すことで食感や風味の差が目立ちにくくなる品目への切り替えを検討しやすくなります。キャベツなど、出荷状況が異なる品目を組み合わせることで、特定品目の高値の影響を分散できます。
生食・サラダ用途での選択肢
生食用途では食感や見た目の違いが出やすいため、置き換えの際は試作をしてから切り替える方が無難です。こちらも、値動きの異なる品目を複数候補として押さえておくと選びやすくなります。
貯蔵性のある品目を組み合わせる
貯蔵性のある根菜などを組み合わせておくと、葉物野菜の高値が続く期間の原価の振れを和らげやすくなります。ただし、取り扱う品目を増やしすぎると在庫管理や発注の負担が増えるため、必要最小限の範囲で検討することが大切です。
なお、仕入れ先の選択肢として通販を検討する場合も、あくまで業務用仕入れの一つの手段として位置づけ、品質や規格、数量の相談ができるかどうかを基準に判断するのが現実的です。
来月以降の見通しを自分で追いかける手順
価格見通しは一度確認して終わりではなく、月ごとに更新されていくものです。定期的に確認する流れを決めておくと、急な値動きにも落ち着いて対応できます。
毎月公表される生育・価格見通しの確認
農林水産省は、主要産地への聞き取り調査をもとに、翌月分の生育状況及び価格見通しを毎月公表しています。月初にこの内容を確認し、品目ごとの方向性を把握することが最初のステップです。
卸売価格の推移を合わせて見る
見通しだけでなく、東京都中央卸売市場などで公開されている卸売価格の推移も合わせて確認すると、月次の見通しと週単位の実勢とのズレをつかみやすくなります。
日ごとの数字を毎回追う必要はありません。週に一度、主要な品目だけ推移を見る習慣があれば十分です。
産地担当者とのやりとりで補う
公表されている統計や見通しは全国的な傾向を示すものなので、個別の産地や取引先の状況は、担当者との直接のやりとりで補う必要があります。
天候の回復状況や次の産地への切り替わりの見込みなど、現場の情報を確認しながら発注量を調整していく進め方が実務的です。
よくある質問
白菜とレタスの価格見通しはどこで確認できますか
農林水産省が毎月、主要産地への聞き取り調査をもとに翌月分の生育状況及び価格見通しを公表しています。あわせて卸売価格の日別の推移も公的に公開されており、月次の見通しと週単位の実勢を合わせて確認するのが実務的です。
平年のおおむね3割以上高いとはどういう意味ですか
農林水産省が公表した10月の見通しでは、白菜やレタスなどの葉物が平年のおおむね3割以上高くなるとされました。ここでの平年は、直近数年の同時期の平均的な価格水準を指します。
小売店の値札がそのまま同じ比率で上がるとは限らず、卸売段階の見通しとして読むことが実務的です。
白菜とレタスで高値が続く期間は同じですか
白菜とレタスは産地リレーの切り替わり時期がそれぞれ異なるため、同じ長雨の影響を受けても高値が続く期間が一致しないことがあります。品目ごとに見通しを分けて確認し、どちらの回復が早いかを個別に判断することが実務的です。
高値はいつ落ち着きますか
天候が回復して生育が追いつき、次の産地への切り替わりが進むと、高値は落ち着きやすくなります。ただし落ち着く時期を断定することはできないため、毎月公表される見通しを確認しながら判断する姿勢が欠かせません。
白菜やレタスが高いとき、何に置き換えればよいですか
同時期に出荷が安定している品目や、貯蔵性のある品目に重心を移す考え方が基本になります。加熱用途か生食用途か、刻んで使うか葉のまま使うかといった用途から代替を検討し、必要な規格や数量は仕入れ先と相談しながら決めていく進め方が現実的です。
価格が上がると納品される品質も変わりますか
生育の遅れや葉の傷みがあると、小玉化や外葉除去の増加によって実際に使える部分が減ることがあります。単価の上昇率だけでなく、歩留まりを含めた使用量ベースの原価で見ておく必要があります。

北のやさい便が選ばれる理由
天候によって葉物野菜の価格や規格が動くたびに、献立の組み替えと発注量の見直しに追われる。そんな月が年に何度かあるのは、仕入れ担当者であれば思い当たるところだと思います。

原価の振れが大きくなるのは、価格そのものが上がったときだけではありません。使える部分が減って必要個数が増えたり、求めていた規格が揃わずに仕込みの手順を変えたりといった、現場側の負担として表れることも少なくありません。
こうした振れを小さくする方向の一つが、仕入れを特定の産地や品目に寄せすぎないことです。収穫期や生育環境の違う産地を組み合わせておくと、ある地域の天候が崩れたときに、受ける影響の幅を抑えやすくなります。
北のやさい便では、北海道の産地とつながりながら、業務用青果の調達について産地・規格・数量の相談を受けています。価格や数量の条件は商品や時期によって変わるため、まずは用途と必要な規格を共有いただくところから進めていただけます。
卸売としての取り扱いの考え方や、産地から直送する場合の流れについては業務用野菜の卸売・産地直送についてで紹介しています。季節ごとに何が出回るかを先に知っておきたい場合は、野菜の旬カレンダーも献立づくりの材料になります。
葉物が高い時期をどう乗り切るかは、その月だけの問題にとどまりません。相場が動いたときに相談できる先をいくつか持っているかどうかが、翌年以降の原価の安定にもつながっていきます。使用量や納品頻度、カット形態の希望など、条件を整理する段階からご相談ください。

「北のやさい便」は、北海道産野菜の卸売・仕入れのスペシャリスト集団です。
札幌中央卸売市場をはじめ、北海道の真狩村をはじめ、全国の農家さんとの独自のネットワークを活かし、鮮度と品質にこだわった旬の野菜情報を発信しています。
飲食店や食品加工メーカー様の「美味しい野菜を安定して届けたい」という想いに応えるため、市場の相場情報や野菜の豆知識を、現場の視点からお届けします。




