アボカドの業務用仕入れ|生と冷凍を可食部単価で比べる方法
2026年10月08日
仕込みの前にアボカドを割ったら、中が黒ずんでいた。かといって熟度を気にして割高な品に替えると、今度は原価が合わない。アボカドの業務用仕入れは、こうした板挟みが起きやすい品目です。
結論から言うと、生か冷凍か、玉サイズ、熟度指定の有無の3つを決めれば、仕入れの形はほぼ固まります。
この記事では、1玉の価格ではなく可食部1kgあたりの単価で比べる方法と、価格高騰や産地の切り替わりへの備えを整理します。価格はすべて、時期・産地・数量で変わる目安として読んでください。
目次
アボカドの業務用仕入れで、最初に決める3つのこと
単価よりも先に使い方を決める理由
1玉いくらかを先に見ると、安い玉を選んだつもりが、使い切れずに捨てる分で結局高くつくことがあります。アボカドは皮と種があり、熟度も日ごとに進むため、仕入れ値と皿に載る量がずれやすい果実です。
先に決めたいのは使い方です。サラダに薄切りで載せるのか、ワカモレのようにつぶして使うのか。用途によって、玉のままがよいのか、カット済みや冷凍がよいのかが変わります。
3つの判断軸をどの順に決めるか
決める順番は、次のようにすると迷いません。
- 生か冷凍か:形を残す料理が多ければ生、つぶす・和える料理が中心なら冷凍が候補になります
- 玉サイズ:1皿に使うグラム数から逆算します
- 熟度指定の有無:使用量の読みやすさと、追熟に手間をかけられるかで決めます
以降の価格は、市場で見られる価格帯を幅で示した目安です。税抜と税込の表記が混ざるため、比べるときは税区分をそろえてください。

生と冷凍ダイスは可食部1kgあたりの単価で比べる
生と冷凍を、1玉の値段と500g袋の値段で並べても比較になりません。皮と種を除いた、実際に使える量で割り戻して、初めて同じ土俵に乗ります。
生の可食部は1玉どのくらいか
皮と種を除いた可食部は、1玉あたり120〜150g程度が目安です。この数字を使うと、生の可食部1kgあたりの単価は次の式で出せます。
1玉の価格 ÷ 可食部のグラム数 × 1,000

数玉を割って可食部を量れば、自店の歩留まりを実測できる
たとえば30玉サイズが1玉あたり約234〜240円(税抜)の価格帯なら、可食部1kgあたりは約1,600〜2,000円です。これは黒ずみや追熟の失敗によるロスを含まない、いちばん楽観的な数字になります。
冷凍ダイスのkg単価の目安
ペルー産の冷凍アボカドのダイス(約2cm角、500g)には約650円(税込)の価格帯があり、1kgあたりでは約1,300円(税込)が目安です。皮と種がすでに除かれているため、内容量がそのまま使える量になります。
| 比べる項目 | 生(30玉サイズ) | 冷凍ダイス |
|---|---|---|
| 可食部1kgあたりの単価の目安 | 約1,600〜2,000円(税抜・ロス前) | 約1,300円(税込) |
| ロスの出やすさ | 熟度のぶれや黒ずみで出やすい | 解凍後に使い切れなかった分 |
| 下処理の手間 | 割る、種を取る、皮をむく、変色を防ぐ | 解凍のみ |
| 向く用途 | 薄切りや半割りなど、見栄えを出す料理 | ワカモレ、ディップ、ソース、和え物 |
税区分の違いは残りますが、ロスを加味すると差はさらに開きます。皮むきや種取りの人手と時間も、仕入れ原価の外にあるコストです。
大量調理の現場ほど、時間あたりの人件費を足したときに差がどこまで縮むか、確かめる価値があります。
食感や見た目で冷凍が向かない料理
一般に冷凍品は解凍すると水分が出て、形が崩れやすくなります。扇状に並べる薄切り、半割りの盛り付け、丼の上に厚切りで載せる料理には、生が向いています。
逆に、ワカモレやペースト、ソース、ほぐして和えるサラダなら、冷凍でも仕上がりへの影響は小さく済みます。1つのメニューで考えず、アボカドを使う全メニューを使い方で仕分けるのが近道です。
アボカドの玉サイズは歩留まりと単価のどちらで選ぶか
玉数の数字が小さいほど大きい玉になる
玉サイズの23玉、24玉、30玉といった数字は、1箱に入る個数を表します。入る数が少ないほど1玉が大きく、23玉は24玉より、24玉は30玉より大玉です。
大玉は1玉あたりの可食部が増え、歩留まり(玉の重さに対する可食部の割合)も高くなる傾向があります。種の大きさは玉の大きさほど変わらないためですが、個体差があるので、自店で何玉か実測して確かめてください。
| 玉サイズ | 熟度・産地の例 | 1玉あたりの価格帯(税抜) |
|---|---|---|
| 23玉 | たべ頃、オーストラリア産 | 約270円 |
| 24玉 | メキシコほか | 約215〜267円 |
| 30玉 | メキシコほか | 約234〜240円 |
| 30玉(たべ頃の熟度指定) | メキシコほか | 約328〜378円 |
24玉は幅が広く、30玉より安い例もあります。玉数だけで単価が決まるわけではなく、産地・熟度・時期で並びが入れ替わります。表の23玉はたべ頃の品なので、他の行とそのまま比べられない点にも注意してください。
箱で買う場合は、メキシコほかの生で1箱あたり約8,200〜8,900円、オーストラリア産23玉のたべ頃で約6,100円(いずれも税抜)という価格帯が見られます。入り数と重量を確かめてから、1玉あたりや可食部あたりに割り戻して比べます。
スライス・半割りとディップで向くサイズ
スライスで見栄えを出す料理や、1皿に半玉を使う料理は、大玉が扱いやすいです。断面が大きく、盛り付けがそろいます。
ディップやペーストのようにつぶす料理は、見た目が仕上がりに出ません。小玉でも、冷凍でも成り立ちます。
1皿の使用グラムから必要な玉数を出す
次は仮の例です。数字は計算の流れを示すためのもので、実在の店舗の値ではありません。
- 1皿に使う可食部:60g
- 1日の提供数:50皿
- 可食部の目安:1玉135g(120〜150gの中間)
- 営業日:週6日
- ロスの見込み:2割
1日の必要量は60g × 50皿で3,000g、約22玉です。週6日なら約133玉で、ロス2割を見込んで割り戻すと約170玉になります。
実際の発注は、箱の入り数に合わせて切り上げます。
熟度指定のたべ頃品と自店での追熟、ロスを減らすのはどちらか
アボカドの追熟の管理は、パン生地の発酵に似ています。温度と時間で進み、ちょうどよい点を過ぎると戻せません。
その熟度管理を自店で引き受けるか、割増しを払って仕入れ先に任せるかが、ここでの分かれ目です。
熟度指定品はどのくらい割高か
30玉サイズで見ると、通常品が約234〜240円、たべ頃の熟度指定品が約328〜378円の価格帯で、およそ1.4〜1.6倍です。
割高に見えますが、自店の追熟でロスが出れば、通常品の実質単価も上がります。実質単価は、仕入れ値 ÷(1 − ロス率)で出せます。通常品を237円とした仮の計算が次の表です。
| 通常品のロス率(仮) | 通常品の実質単価 | 熟度指定品(ロスなしと仮定) |
|---|---|---|
| 10% | 約263円 | 約328〜378円 |
| 20% | 約296円 | 同上 |
| 30% | 約339円 | 同上 |
| 35% | 約365円 | 同上 |
ロス率がおよそ3割前後から3割台後半を超えるなら、熟度指定品のほうが安くなる計算です。それより低ければ、自店の追熟のほうが原価は抑えられます。
熟度指定品でも届いたあとに傷むことはあるため、ロスなしはあくまで仮の置き方です。
自店で追熟するときの温度と日数の目安
追熟は20度前後の場所で進めるのが目安です。追熟が終わる前に5度以下で保管すると、低温障害が起きやすくなります。うまく熟さなくなる原因になるので注意してください。
日数は季節や入荷時のかたさで変わるため、日数を決め打ちせず、毎日かたさを確かめて見極めます。食べ頃になったら冷蔵に移して、進みを止めるのが基本です。
使用量が読みにくい店はどちらを選ぶか
使用量が日によって大きく変わる店は、熟度指定品が向いています。使わなかった分の追熟が進んでしまい、持ち越しが利かないからです。
使用量が安定していて、保管場所と見る担当者がそろっている現場なら、通常品を自店で追熟するほうが原価を抑えやすくなります。基本量は通常品、上振れ分だけ熟度指定品という組み合わせも一つの形です。
アボカドの価格高騰と産地の切り替わり、品質がぶれる時期への備え
相場と品質が動きやすい要因
アボカドの価格が高騰する背景は、主に3つあります。主産地の生育状況、海外での需要の強さ、そして産地や新物(ニュークロップ)と貯蔵物の切り替わりです。
海外の需要が強い時期には、日本向けに回る量が絞られ、相場が上がることがあります。価格が上がる背景や落ち着きやすい時期は、[アボカドが高くなる理由と安くなる時期](https://hokkaidoyasai.co.jp/news/2026/01/27/1062/)の記事で詳しく整理しています。ここでは、仕入れの現場で平時に決めておく備えに絞ります。
切り替わりの時期は端境期にあたり、品質もぶれやすくなります。熟し方がそろわない、かたさにばらつきが出る、といった形で現れます。輸入量の推移は、農林水産省の公表資料や[財務省の貿易統計](https://www.customs.go.jp/toukei/info/)で確認できます。
メキシコ・ペルー・コロンビアなど産地による違い
輸入品でよく見かける品種はハス種です。メキシコ産ハス種のように、産地と品種を並べて規格が示されます。ほかにも、オーストラリア産の生、ペルー産やコロンビア産の冷凍ダイスなどが流通しています。
産地ごとに収穫の時期が違うため、産地が替わる時期が端境期になります。味や熟し方の傾向は年や時期で変わるので、規格書と、入荷した実物の両方で確かめるのが確実です。
切り替わりの時期に前もって決めておくこと
高値になってから考えると、判断が遅れます。次の4点を、平時のうちに決めておきます。
- 冷凍品を併用する割合:生が不安定な期間は、つぶす料理を冷凍へ回します
- 使用量を絞るメニュー:半玉を使う料理を三分の一にする、など量の目安を決めます
- 規格の許容範囲:玉数の幅、熟度の幅、産地が替わるときの連絡を、仕入れ先とすり合わせます
- 代替メニュー:品薄が続く場合の差し替え案を用意します
許容範囲を決めておくと、入荷時に受けるか返すかをその場で判断できます。
冷凍アボカドは15mmダイスとペースト向けの端材品で用途を分ける
ダイスのサイズで変わる使いみち
冷凍アボカドのダイスには、15mmダイス(コロンビア産、500g)や、約2cm角(ペルー産、500g)の規格があります。
15mm前後は、サラダや和え物に混ぜやすく、全体になじむ大きさです。約2cm角は、果肉の存在感を残したい料理に向きます。解凍すると柔らかくなるので、形を残したい料理ほど大きめを選びます。
ペースト用の端材品を選ぶ条件
端材のビッツ&ピース(コロンビア産、2kg)は、形が不ぞろいなぶん、ペーストやディップ向きです。
500gと2kgの違いは、使い切りやすさです。500gは少量でも開けやすく、2kgは使用量が多い現場や、仕込みをまとめて行う加工の場で扱いやすくなります。解凍してから使い切れる量を基準に選びます。
| 規格 | 内容量 | 向く用途 | 確認する点 |
|---|---|---|---|
| 15mmダイス | 500g | サラダ、和え物 | 解凍後の食感 |
| 約2cm角 | 500g | 存在感を出す料理、ワカモレの具 | 解凍後の形の残り方 |
| ビッツ&ピース | 2kg | ペースト、ディップ | 1回で使い切れる量 |
変色防止の添加物をどこで確認するか
冷凍品には、変色を防ぐためにクエン酸や酸化防止剤(ビタミンC)、塩が加えられている商品があります。同じ規格名でも、商品によって原材料は異なります。
給食や表示が必要な現場では、規格書で原材料を確認してから採用してください。切り替えのたびに、規格書を取り直すことも忘れずに。
届いたアボカドの検品と保管の手順でロスを減らす
受け入れ時に見ておく点
受け入れの段階で熟度のばらつきを把握しておくと、その後の置き場所を迷いません。手順は次のとおりです。
- 箱ごとに玉数と産地の表示を、発注内容と照らし合わせる
- 玉を軽く押さえ、かたさで熟度のグループに分ける
- 傷、へこみ、ヘタまわりの黒ずみを見て、不良は記録して連絡する
- 箱ごとの熟度のそろい方をメモし、次回の発注に生かす
熟度ごとの置き場所の分け方
かたい玉は20度前後の場所へ、食べ頃に達した玉は冷蔵へ、と置き場所を分けます。追熟が終わる前の玉を5度以下に置くと、低温障害の原因になります。
箱を混ぜて置くと、進み具合がわからなくなります。熟度ごとにトレーを分け、日付を書いておくと、使う順番を決めやすくなります。
切ったあとの変色を抑える扱い方
果肉の変色は、空気に触れる面から進みます。切ったあとは、断面にラップを密着させる、レモン果汁を軽く塗るといった方法で空気との接触を減らします。
仕込みは、その日に使い切れる量にとどめるのが基本です。冷凍品も、解凍後はできるだけ早く使い切ります。

アボカドの業務用仕入れでよくある質問
生のアボカドと冷凍ダイスは、結局どちらが安いですか。
1玉の価格ではなく、可食部1kgあたりで比べます。生は皮と種を除くと1玉120〜150g程度が目安で、熟度のロスも加わります。
冷凍は全量を使えますが、食感を活かす用途には向きません。使う量と用途で答えが変わります。
玉サイズは24玉と30玉のどちらを選べばよいですか。
数字が小さいほど1玉が大きくなります。スライスで見栄えを出す料理や、1皿に半玉を使う料理は大玉が扱いやすいです。
ディップやペーストなら、小玉や冷凍でも成り立ちます。1皿あたりの使用グラムから逆算して決めます。
届いたアボカドを冷蔵庫に入れてもよいですか。
追熟が終わる前に5度以下に置くと、低温障害が起きやすくなります。食べ頃になってから冷蔵して、進みを止めるのが基本です。追熟は20度前後が目安です。
価格が上がりやすい時期はありますか。
主産地の生育、海外の需要、産地や新物の切り替わりで相場が動きます。切り替わりの時期は品質もぶれやすくなります。使用量の見直しや冷凍品の併用を、前もって決めておくと慌てません。
冷凍アボカドの原材料表示で確認すべき点はありますか。
変色を防ぐために、クエン酸や酸化防止剤(ビタミンC)、塩が加えられている商品があります。給食や表示が必要な現場では、規格書で原材料を確認してから採用してください。
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北のやさい便が選ばれる理由
メニュー全体で仕入れを組み立てたい方へ
アボカドを使う料理は単体で完結することが少なく、サラダや付け合わせとして、ほかの野菜と一緒に皿に載ります。アボカドの規格をどれだけ詰めても、合わせる野菜の規格や数量がずれていれば、仕込みの手間やロスは別の場所で出てしまいます。

当社は北海道産野菜を中心に、業務用の青果を扱っています。産地とのつながりをもとに、品質や供給の見通しを確かめながら、用途に合わせて相談できる点が強みです。
カット野菜や給食・介護食、加工向けの仕入れでは、下処理の手間やロスを減らしたいという課題に合わせて、規格や形状を相談できます。飲食店やホテルでの使い方に合わせた考え方は、[外食産業向けの野菜仕入れのご提案](https://hokkaidoyasai.co.jp/for-restaurant-industry/)でも紹介しています。
規格や数量を相談しながら決める進め方
相談の前に、次の4点が整理できていると話が早く進みます。
- 用途:サラダ、付け合わせ、加工原料など
- 1皿あたりの使用量と、1日・1週間の必要量
- 許容できる規格の幅
- 時期ごとの使用量の増減
アボカドを使うメニューについても、ご希望の条件をお聞かせください。条件に合わせて、対応できる範囲を一緒に確かめます。
価格も品質も、動くことを前提に仕入れを組むのが、リスク管理の基本です。規格・数量・代替案を先に決め、変動したときに相談できる窓口を持っておけば、高値や品薄の時期にも慌てずに済みます。
業務用仕入れのご相談や、必要な規格・数量のお問い合わせから、現場の仕入れを一緒に安定させていきましょう。

「北のやさい便」は、北海道産野菜の卸売・仕入れのスペシャリスト集団です。
札幌中央卸売市場をはじめ、北海道の真狩村をはじめ、全国の農家さんとの独自のネットワークを活かし、鮮度と品質にこだわった旬の野菜情報を発信しています。
飲食店や食品加工メーカー様の「美味しい野菜を安定して届けたい」という想いに応えるため、市場の相場情報や野菜の豆知識を、現場の視点からお届けします。




